アイル ホットケーキ (ガッテン)

先日テレビで観たホットケーキのおいしい焼き方というのをやってみた。


ためしてガッテン:過去の放送:
食の?にお答えします 〜夢の新レシピ大公開〜
http://www3.nhk.or.jp/gatten/archive/2009q1/20090318.html


[ホットケーキの出来]

いつもよりも比較的に、ほんの少し早くできあがった(ような気がする)。
厚みは割と均一で、生地の焼きあがりも普段より均質に仕上がった。
それとホットケーキ内の気泡の大きさがちょっぴり大きめで、
ふかふかとしており、食感としてはファミレスのパンケーキに似ている。
空気を多く含んだことで、食べた際に
バニラエッセンス(か何かの香料)の風味をいつもよりも多く感じることができ、
香りゆたかに作ることができた。

ただししっとり感は減少したので、好みはわかれるところ。


[考察]

手順は上記URLのとおりなんだけど、
肝は最初のフライパン余熱をキンキンの状態にすることのようだ。

そもそもホットケーキの生地自体が、
フライパンの温度に比べると非常に低温である。
そのため生地を投入した際には一気にフライパンの熱が奪われ、
温度が低下してしまいベーキングパウダーの反応熱が不足する状態に陥る。
(ベーキングパウダーの反応についてはちょっと語弊のある表現だけど。)

すると、生地下面の気泡発生が温度低下に伴って緩慢なものとなり、
全体としての厚みが不足する。
厚みが十分で無い為に、半面を焼いている間に上部まで熱が浸透してしまい、
ひっくり返す頃には残り半分を焼くのに必要なベーキングパウダーの効果が、
すでに使われてしまっている状態となる。
この「後半の膨らし成分不足」がぺったり焼きの原因のようだ。


要するに半面を焼くのに時間が掛かりすぎてる、ということのようだ。
ベーキングパウダーの目的は完成時に気泡を閉じ込めることにあるから、
なるべく前半ではなく後半の半面を焼く際に効果を利用したい。
それに加えて生焼けの可能性もあるから、なるたけ均質に熱を入れたい。

けれども均一に温度を与え反応させたいにも関わらず、
前半の半分を焼く時には生地が冷たく、
後半の残りを焼く時には生地がすでに温まっている。
この差異を埋める為に、
最初の余熱でフライパンに熱量を大量にためこんでおき、
投入時に与えるということをする必要があるわけだ。


うまく膨らまない際の流れを表にしてみると、


生地(温度が低い)
↓ フライパンへ投入
下より半分が熱によって焼かれ膨らんでいく

フライパンの温度が生地によって奪われ低下

ベーキングパウダーの反応が遅い

時間が掛かる

残り半分まで熱が通ってしまう

ひっくり返す

もう割と反応しきっているため、あまり膨らまない

ぺにゃんこホットケーキ完成



これを解決するには以下の処置が必要となる

・生地(なるべく温度が低くならないよう牛乳と卵は常温に)
・粉は混ぜすぎず、ダマにならぬよう手早く混ぜる。
・油は温度が高いので、こげる原因になる。
 なので均一にするために薄くひく。
・フライパンは空焚きをするので、鉄製のものを必ず使用する。
・フライパンを十分に余熱しておき、投入と同時に即座に生地を温める。
・空気がフライパンとの生地の間に入り込まぬよう、
 高いところから生地を流し込む。
・冷めたところからしぼんでいくので、ひっくり返した後は蓋をしながら焼く。
・ずっと同じ火の強さで焼く(弱火)。
・途中でいじらない。我慢を身につける。



ただしキンキンに余熱をするといっても、
濡れ布巾で冷ます等の温度を均一にするといった工程は省けないようだ。
なぜならIHでない限り、接触する熱源はかなり偏っているために、
熱せられたフライパンの場所ごとの温度にはかなりばらつきがある。

まぁ濡れぶきんじゃなくても普通に10秒ほど放置しておけば大丈夫だろうけど。
余熱の加減は、ほぼ空焚き状態で煙がちょっと出るくらい。

それと余熱する理由の中には、
生地を早めに固まらせ、形と厚みを保持する役割もあるもよう。


積年の謎が今すっきりちゃんになった気がするヽ(´ワ丶)丿
(ちょっとだけ)