とおい
たいせつなたいせつなたいせつなひとになにかがあった。
そんな気はしていたけれど、
何かざわつく気配を感じてはいたけれど、
なにもできないし、なにもとどかない。
じぶんは、なんでもなかった。
これじゃあ、なんでもないよ。
ぶつかることだって、つながりたいきもちだって、
ぜんぶがぜんぶ、なんでもないことのように、
やさしさも、つまらないこころづかいも、
すべてがじぶんの傲慢に生きただけの行為だった。
だからこれもこのことばだってどんな言葉でさえも、
なにもならないし、なににもなれない。
あなたのなにかになりたいのです。
なにかになれるときがきたら、米粒のひとつでもいいから、そうさせて。
愛する友へ