あまりに曖昧

表面をなぞるような表現たち
こそばゆい虚脱感を齎す
そしてそれを味わう
空想の中の現実を語る個人的な“通った”感覚


実際の出来事で話を綴る場合には読者の共感を得やすい
外向きの文章とは本来そういうものでなくてはいけないと思う
実際に起きた事は想像が容易いが
抽象的な概念のみでは他者との共有は難しい


けれどここはオナニーの場所
自己意識を投影して自らの内部の木構造を再構築する場
仮想の他者や外部を想定し対話する
対話によってアイロニカルな視点を
自らと仮想の他者との間の中に生み出すことができる


仮想の他者とは無自覚の自己の傀儡
その裏方の黒衣であるメカニカルな意識たちと対峙する
論理的である必要はない
むしろ無秩序であるほうが真に迫る不思議さ


それら無意識の内乱の共有物こそ通ったものの正体
混沌さから導出される成果物
それは他者へと伝わる能力を一切そぎ落とされている
自分だけの理解の象徴
理解は他者とは共有できない
理解の共有のためには適切な道程が必要
要素の次元が下がれば下がるほど他者と共有事項が増える
お互いの体験の共有によって共感を得る
最も次元の低い要素のストーリー性をもった羅列こそ最大限の共有行為
物語は出来事を網羅することで中間質を炙り出すメソッド
描写の写実性が増すに従って現実感も増し共感の事項が増加
現実は粗悪だが精緻な共有のストリーム
我々の持つ唯一の方法